もっとも、マイホームを買い換えた経験があれば、「そんなに税金はとられなかった」とおっしゃるかもしれません。というのは、自分の住んでいる土地・家屋を売った場合に限って、税法には、利益のうち三〇〇〇万円まで税金をかけない「居住用財産の特別控除」という特例が設けられているからです。ところが、同じように自宅を売った場合でありながら、この特例の適用が受けられず、べらぼうな税金に泣きを見るケースがけっして少なくありません。
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そもそもこの特例の存在を知らなかったり、知っていてもちょっとした不注意から条件を欠いたりするケースがじつに多いのです。これはほんの氷山の一角で、私は長年、税務相談にたずさわってきて、一般納税者が損をしなくてもいいところで、みすみす損をしているケースを数限りなく見てきました。これも、一般の人に正確で実際的な税金の知識が伝わっていないからでしょう。しかし、そうした知識を一般の人が求めようとしても、数多く出ている税金の本は、とにかくわかりにくく、実際の役に立てるには骨が折れすぎます。しかも、これらの本を研究してみて私が痛感したのは、どの本にも税金の「解説」はあっても、どうしたらよいかという「知恵」がないことです。