分裂状態の管理組合が『中立の立場で混乱を収めてほしい』と頼ったのは「福岡マンション管理組合連合会(福管連)」。福岡市天神に事務所を置くNPO法人であった。福管連は、一九八七年に同一の管理組合が共通の悩みを持ち寄り、意見交換しようと設立された。組織の分裂、統合もあったようだが、現在では六〇〇の管理組合か会員に加入し、顧問弁護士や一級建築士、ファイナンシャルプランナーたちが相談にのっている。「助っ人」の理事派遣は、その会員サービスの一環だ。
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「火消し役」に逃ばれたのは、専務理事だった。「第三者」が管理組合に理事として加わるには、まず「管理組合規約」を改正しなくてはならない。従来の規約では、他のマンションと同じように役員は「現に居住する区分所有者」と規定されていた。ここに「マンション管理の実務経験豊富で、専門的知識を有する者が理事会の推薦を受け、住民総会で承認されれば役員に選任される」との条項が追加され、事務理事が「理事長」に選出された。新体制は総会で承認され、理事会には三〇代、四〇代の若手も加わった。と、書くのは簡単だが、マンションと関係のない第三者が理事長の役職に就くのである。反発がないわけかない。事務理事が、しみじみと語る。「最初は、うんざりしましたよ。理事長就任が諮られた住民総会は、荒れまくった。本当は副理事長で入るほうかいい。そりゃ誰でも警戒しますよね。でも、当事者だけでは立て直せない、仕切ってほしいと依頼されましてね、助っ人の理事長になったんです。選ばれて、真っ先に、任期一年、居座るつもりはまったくない、と申し上げました。そして、わたしの仕事は、あくまでも理事会を軌道に乗せること。理事会の運営支援が役目なので、管理業務上の話を持ち込まれても対応できない、と断言しました。資産の管理にかかわる問題は住民の副理事長にお任せしました」