家屋内から検出されるダニ類のすべてが家屋内に生息しているダニではありません。戸外から風と共に入りこんだり、人や動物に寄生しているダニが住まいの床面に落ちて、検出されることもあるからです。諸外国の家屋内から検出されたダニ類を集計した報告をみますと、家屋内から検出されたダニ類は四五科一四九種にも及んでいます。ダニの害を防ぐためには、実際に家屋内で生息しているダニはどのダニなのかをつきとめる必要があります。
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ほんとうに生息しているのか、戸外から入りこんだのかがはっきりしないと、制御法・防除法も不適当になりがちだからです。家屋内に生息するダニとは、次の条件を満たすダニ類です。(1)家屋内で検出される個体数が多く、そのダニの構成比率も高い。(2)家屋内で幼若個体も検出される。(3)どの家屋内からも頻繁に検出され、しかもどの家でも構成比率が高い。家屋内生息性ダニ類なら、卵から成虫までのどの段階のダニも見つかるでしょうし、どの家屋内からも多数見つかり、そのためにそのダニが占める率(構成比率)は高くなるはずです。日本で家屋内からよく検出されるダニ類は、二〇科ぐらいで、種類にすると約一〇〇種もあります。このうち、(1)〜(3)の条件を満たす家屋内生息性ダニ類は、少なくとも三〇〜四〇種はいます。しかし、もっと細かく調査をすれば、もっと種類が増えるはずです。というのは、ツメダニ科のダニ類だけでも、東京周辺で一五種類は見つかっているからです。図H−1に示したように、家屋内から多数採取されるダニ類(科)は、(1)チリダニ科(2)イェササラダニ科(3)ツメダニ科(4)コナダニ科(5)ニクダニ科(6)ホコリダニ科(7)マルニクダニ科(8)カザリヒワダニ科、(9)マヨイダニ科(10)カブリダニ科・ハダニ科などです。これらのうち、(1)〜(6)位までのダニ類の生態を簡単に説明しましょう。